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ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のための協奏曲 [ショーソン:弦楽四重奏関連]



 今日は昼頃のそのそと起き、アップルパイとりんごを剥いて食べ、緑茶を飲む。何か小洒落た小品でも楽しみたくなり、フランスものに手を伸ばす。

 クラシック音楽の中では、フランス物は苦手。フランクも、ドビュッシーも、ラヴェルもさほど好きになれずにいる。その独特の気だるさというか、アンニュイな感じというか、フランス特有の濃厚な香りの充満する印象派的な作風に苦手意識があり、ドイツ風のがっちりした音楽を好む私はどうも喰わず嫌いでいる(もっとも、がっちりとした音楽が好きでありながら、ブルックナーにははまれない自分がいる)。
 
 もちろん例外もあって、コルトーの弾くドビュッシーの『子供の領分』などは好きな部類だ。もっとも、これはコルトーが好きだから。そして、今回採り上げた『ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール』も好きな音楽だ。

 こんな美しい室内楽曲があったのか、というくらいの名曲である。そして、この演奏がまた素晴らしい。レジス・パスキエ(ヴァイオリン)、ジャン・クロード・ペヌティエ(ピアノ)、ロラン・ガレイユ、ジュヌヴィエヴ・シモノ(ヴァイオリン)、ブルーノ・パスキエ(ヴィオラ)、ロラン・ピドゥー(チェロ)。誰もが自己主張しすぎることなく、美しき音楽を美しき演奏で演奏することに全力を傾ける。前回のBLOGで書いた「統一感」だ。
 
 ショーソンのことはほとんど知らない。これから、というときに自転車事故で亡くなった。その事故も目撃者がいなかったことから、自殺説すらある。『詩曲』などが有名といえば有名な作品である。交響曲から声楽曲まで幅広く書いていたわりには最近はあまり注目されないようだ。

 『コンセール』はフランスの芳醇な香りを漂わせながらも、洒落た作風が鼻につかず、良い意味のエスプリと夢見るような美しい旋律に支配されている。過ぎ去りしあの頃、と思い出と夢に浸るような美しい世界に切なくなってしまった。また、パスキエのヴァイオリンが素晴らしい。ペヌティエのピアノも瑞々しい。
 
 一楽章からして、弦楽四重奏とヴァイオリンの掛け合いに耳を奪われる。流れるように漂い彷徨う旋律のもの悲しい美しさ。二楽章のシシリエンヌ、三楽章のグラーヴェの哀しく甘い美しさは、洒落きった格調の高さによって、美味しい年代もののワインを浴びるように飲み、夢見心地に人生の辛さを思うような気持ちにさせる。しかし、三楽章には深い内面の声があり、胸が詰まるような痛みも残すのである。外見の洒落きった美しさの裏には何か荒れ狂う懊悩や孤独な魂が見え隠れする。終楽章はやや動きのある音楽だが、その呼吸感にしびれてしまった。回顧的な甘い情緒とエスプリに、愉悦感が加わって、この音楽が書かれた時代のフランスに行きたくなってたまらなくなった。パスキエの繊細でたゆたうような、洒落きったヴァイオリンはどうだろう。本当に粋だ。このヴァイオリンを聴きながら酩酊したくなる。

 もっともっと、フランスの音楽を聴いてみよう、と思わせる宝物のような美しい音楽だった。赤ワインください。


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